3DSlicer によるStructureごとのICE値の統計

OS: Ubuntu 20.04, 3DSlicer Version: 4.11.20210226

JacobianとICEの求め方では全体の平均値や標準偏差などしかわかりませんでした. そのため, 次回にはStructure 毎の値を出す方法を書くように書きましたが, その方法はSegment Statisticsを使う方法で, すでに書いていることを忘れていました. ただ, Segment Statisticsの回では, ICEのデータを使ってという話ではなかったので, ざっくり流れと注意点のみ記載していきます. 具体的な処理は以前の記事を見てください.

Structureごとの値を取るのに, なによりすでにICEが求まっている必要があるので, そのやり方は下の記事を見てください.

またSegment Statistics モジュールの使い方は, 下の記事にあります.

Segment StatisticsでICE値の統計を取る際の注意点

Segment Statisticsで処理するのはScalar Volumeになります. RegistrationQAを用いて計算したデータであればScalar Volumeになっていますが, 他のソフトで計算したデータを3D Slicerに読み込んで統計を取ろうとした場合, Data モジュールでそのデータがvtkMRMLScalarVolumeNodeになっているか確認してください. 下はScalar VolumeになっているICEのデータの例です.

Segment Statisticsで統計データを求める下のように値が計算され表としてまとめられます.

ICEの結果の表

この表で, MinimumやMaximum, Mean, Median, Standard… がそれぞれStructureごとの最小値, 最大値, 平均値, 中央値, 標準偏差になります. 注意は, データ値をもととした平均などの値ですので, その単位はもとのデータに依存します. ICEの場合距離値となるのでScalar Volumeに保存されているのがcm単位なのか, mm単位なのか事前に確認しておく必要があります. Segment StatisticsはあくまでもScalar Volumeの画素値をLabelmap (Structureのデータを変換して作る)ごとに分けて平均などを取ってくれるに過ぎません.

結果の表は保存すると, Tab separate value(.tsv)かComma separate value(.csv)で保存されるのでExcelなどで読み込めます.